花は盛りに
月は隈なきをのみ
見るものかは
雨に対ひて月を恋ひ…
なほ あはれに情深し
兼好法師
徒然草”第137段より
よく雨が降りますね
今夜
ひさしぶりに晴れて
もしお月さまが
見えるとしましたら
月齢は26
三日月よりも細い
下弦の月で
真夜中に東の空から
のぼってきます
兼好法師は
さくらは満開のときだけを
また
くもりのない澄んだ夜空の月だけを
眺めるのがいいでしょうか
雨の日に月を慕い
家にとじこもり
春のうつろいを知らずに
過ごすのも
深い趣があるのです
と
言っています
また
よろづのことも
はじめおはりこそをかしけれ
男女のなさけも
ひとへに逢ひみるをば
言ふものかは
恋は成就のときだけが
総てではない
逢えない事を憂い
儚い約束を嘆いて
長い夜を独りで明かして
遠い雲の下に相手を思い
また昔の恋を偲ぶなど
そんな数々のせつなさも
恋の趣きと言えます
ままならない想いこそが
恋の醍醐味である
とも記しています
いかがでしょう?
会えない夜も
きっとだれかが
あなたのことを
案じてくれています
そう思うと
生きる力が
湧いてきますよね
いにしえの日本人の感性って
素晴らしいです
前回のブログで
お話させていただきましたように
コロナ禍で
息苦しさを感じる
昨今ですが
私たちには
どんなときも
どんな場面でも
だれにもじゃまされることなく
想像の翼を広げる
自由があります
兼好法師さんに習いまして
私は
今宵も
心のお月さまの・・・
お出ましを
お待ちしましょう
ちなみに
今年の
中秋の名月は
9月21日
美しい月を眺められると
いいですね
ところで
草むらでは
秋の虫が鳴きはじめました
日本人は
虫たちの鳴き声を
左脳で聴く
数少ない民族だそうです
右脳では単なる雑音としてしか
聞こえない
虫の声を
ことばとして聴く日本人
感性ゆたかですね
つづきは
次のブログで
いつも
ご清覧いただきありがとうございます
すてきな秋になりますように